お 砂 糖 少 女 の お 話



hat are little girls made of? What are little girls made of?
Sugar and spice
And everything nice, That's what little girls are made of.



女の子ってなんでできてる?
女の子ってなんでできてる?
おさとうにスパイス
すてきなものいっぱい
そんなもんでできてるのよ





ここではないどこか。
ゆめのくにでのお話し。

小さな小さな、山あいにある、その国では、
お砂糖作りが経済を支える大事な産業でした。

職人さんたちが、まいにちまいにち、サトウキビをぐつぐつと煮溶かして、
しろいお砂糖をたくさんたくさん作ります。
お砂糖は、おばさんたちの手で袋につめられて、ベルトコンベアーで運ばれてゆくのです。

・・・・そして、ここだけの話し。ひみつのお話しなのですがー
ーお砂糖を作るときに、「副産物」が出来ることをご存知ですか?

その「副産物」とは、実は「女の子たち」なのです。
サトウキビを煮詰めて、精製機にかけたときに生まれるのが、彼女たちなのです。

お砂糖少女たちは、やっぱりまっしろな肌をしていて、とてもとてもあまい香りがします。
ためしにほっぺたをなめてごらんなさい。お砂糖の味がするでしょう?
まだ生まれたばかりなので、シュガーパウダーが肌にくっついているからですよ。
そして、お砂糖少女たちも、もちろん立派な国の輸出品なのです。

精製されたまっしろなお砂糖たちとは別のベルトコンベアーに載せられて、ひみつのお部屋で
係りのおばさんたちに綺麗なお洋服を着せてもらって、とおい国の貴族さまに買われてゆくのです。
お砂糖少女をひとつ持って、夜の玩具にするのは、このあたりの貴族のたしなみなのです。

ある日、お砂糖工場で働く、一人の若い男が、お砂糖少女をひとつ、貰えることになりました。
その子はすこし欠陥があってーそれは、ほんのちいさなちいさなあざが、胸元にできてしまっていた
だけだったのですがー売り物にはならないから、お前にくれてやるよ、と工場長が言ったからです。

男は大変よろこんで、少女をうちにつれてかえりました。

男の家は、古ぼけたアパートメントの一室で、ふたりでくらすにはせまい部屋でしたが、
綺麗な女の子と暮らせるので、男はとても幸せな気持ちでした。

「さあ、こっちへおいで。お前をたっぷりと可愛がってあげるよ」
男は少女を抱き上げると、ベッドへ連れてゆきました。
貴族さまの夜伽を仰せつかるだけあって、お砂糖少女の味は極上でした。

少女の花びらは桃の花のようにきれいなピンク色で、舐めると甘いお砂糖の味がします。
男は貪るように少女のお砂糖を舐めました。
なめてもなめても、少女のお砂糖水は枯れることがありません。

「さあ、今度は俺のミルクをお前に飲んでもらうよ」
男はズボンのジッパーをおろして、少女を自分の上にのせて、自分のおおきな肉棒をたべさせました。
少女はおいしそうに肉棒をなめてくれます。
男は少女のお砂糖水をその間も舐めとっています。
とても気持ちよいので、男はすぐにミルクを出してしまいました。
それはそれは濃くて、たくさんのミルクです。
少女は音をたててそれをきれいに飲み干します。

男はそれでもまだまだ足りず、少女の花びらに肉棒を突っ込み、思う存分かき回しました。
少女はよろこびの声をあげて、それを受け入れます。
小鳥のさえずるような可愛らしい声です。
男はそれを聞いて、ますます興奮して、少女を責めたてました。

抱きしめると、少女からは甘い香りが立ち上ってきます。
体温があがっているので、真っ白な肌がうす桃色になり、お砂糖の香りもよりいっそう
濃厚にたちのぼります。

男は、その香りに、頭がくらくらしてきました。
なんておいしそうな匂いがするんだ。

そして、まだ今日は何も食べていないことをきゅうに思い出して、おなかがすいてきました。
きゅるきゅるとおなかの虫が泣き出します。

そうだ、お砂糖。
これはお砂糖少女だった。
きっと中身もあまいあまいお砂糖に違いない。

貧しい男は、お砂糖工場で働いていても、ほんもののお砂糖を口にすることはできません。
お砂糖をいくら沢山つくっていても、全部ほかの国に売ってしまうので、一般市民には手の届かない
高級品なのです。

ひとくちだけ、ひとくちだけかじってみよう。

甘い甘い匂いに我慢できなくなって、男は少女の首筋に歯をたてました。

思い切り、つよく。


その瞬間。


びちゃり。


男の口の中に広がったのは、お砂糖の甘い味ではなく、鉄のさびたような血の味でした。

男は知らなかったのです。

お砂糖少女たちは、ほんもののお砂糖ではないことを。

お砂糖少女の中に流れているのは、砂糖水ではなくあたたかい血。
彼女たちはちゃんとした生き物なのです。

男は少女をだきしめて、大きな声で泣きました。
ごめんよ、しらなかったんだ、ごめんよ。息を吹き返しておくれよ。

だけど、すでに少女は息たえていました。

男は、ずっとずっと、泣きながら、ばらのように真っ赤に染まったお砂糖少女を抱きしめていました。


素材提供:反逆
SpecialThanks:102号室(Vanilla様)
参考文献:マザーグースの歌